むかで屋日常番外編 湊鼠のストールを染めました(茎染め編)
久しぶりの更新です。
育てていた藍の「二番刈り」(「一番刈り」の時はTシャツを染めました→2015-07-20 - むかで屋日常 )がそれなりに大きくなったので、再び藍染めにチャレンジ。
前回の様に生葉染めで薄い水色に染めるのも良いけれど、せっかくだったらもう少し違った色にも染めてみたい。
そこで、「藍染めの絵本」で紹介されていた「湊鼠のストール」に挑戦することにしました。
- 作者: 山崎和樹,城芽ハヤト
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 2008/04
- メディア: 大型本
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「湊鼠」とは、やや青みがかった鼠色のこと。
『四十八茶百鼠』と言われるほどグレーの色使いに命を懸けていた江戸っ子が好んだ、粋な色です。
(詳しくはこちら→湊鼠(みなとねずみ)とは?:日本の色・和色)
化学染料なしでこの色に染める方法は、まず藍の茎で布を染め、色味が黒っぽくなるよう鉄媒染液で媒染し、その上から藍の生葉染めで青色を加えるというものです。
今回染めるのは、こちらの正絹ストール(田中直染料店で購入→染料、染色材料の専門店 田中直染料店)です。
すうっと、空気に溶け込みそうなはかなげな風情が気に入りました。
そのストールを中性洗剤で軽く洗い、よくすすいだのち、15分ほど水につけておきます。
その間に、アイの収穫。
やはり気候が悪すぎたみたいで、今年の二番刈りはかなり寂しい量です。
そのあと、茎と葉を別々に分けます。
葉っぱは生葉染めの工程まで待機。
大き目のステンレスボールに、アイの茎と1リットルほどの水を入れて沸騰させ、沸騰したら火を弱火にして15分ほど煮出します。
あ、ステンレスボールは普通のお鍋でも大丈夫ですよ。
煮出している間は、いかにも「青菜」という感じの香りがたちます。
15分煮出したら、すこし冷まして大き目の鍋やバケツに染液(1番液)を移します。
もう一度、ボウルに1リットルの水を加え、先ほどのアイの茎を15分煮出して2番液を抽出し、こちらもバケツに移します。
バケツの染液に、水から出してよく絞った布を入れ、5分から10分ほど布を浸して染めます。
そのあいだ染液の中で布を動かし続け、染めムラを防ぎましょう。
この時点では、まだうすーく色づいているだけですが、これはこれでいい色。
バケツの中の染液はまだ使いますので、絶対に処分しないでね。
次は、媒染の工程。
今回は、染料からグレーっぽい色を引き出す「鉄媒染」を行います。
「鉄媒染」のための薬品は、染料店でも購入できますが、時間があれば自分でも簡単に出来ます。
作業学習−鉄媒染液の作り方−
要は、さびた釘をお酢などに漬けてさらに錆びさせ、その上澄みを媒染に使う訳です。
さびた釘がない場合は、新品の釘(100均で買えます)を網やフライパンなどでよく炒って、お酢につけて錆びさせます。
私が手塩にかけた鉄媒染剤です。
さて、その鉄媒染液を布の重さの30%分量り、たっぷりの水(本の記述だと5リットル)の水に溶かしこみます。
5リットル入る容器がなくて、3リットルほど入るボウルで代用。
そして、先ほど茎の染液で染めたストールを投入。
すると、
ビックリするほど真っ黒に!
たぶん、媒染液が少し多すぎたんだと思います……。
本のやり方だと、この媒染液に7~15分漬けるのですが、私はストールが真っ黒になるのが怖くて5分ほどでやめました。
みなさんは、時間と薬品の量をちゃんと守りましょう……あと、ムラが出来ないよう布は液の中で動かし続けて下さい。
媒染が終わった布を、水でよーくすすぎます。
すすいだ後の色がこちら
なんだか、喪服っぽいようなゴシックなような……
次は、バケツに入っている染液をボウルに移して火にかけます。
液の温度が70度くらいになったら布を投入し、常に布を動かしながら5~10分間浸し染めします。
時間通り浸し染めしたら、水を4回かえてよーく水洗します。
洗い終わった時の布はこんな感じ。
写真だとわかりづらいけれど、少し青みがさしてます。
布を乾かしている途中の写真。
いい感じの鼠色です。
と、いったところで茎染めの工程は終了。
この上から生葉染めをほどこすわけですが、長くなりすぎてしまったので、エントリーを別にします。
はたして、ストールはちゃんと湊鼠に染まるのか!?
括目してお待ちください。