むかで屋日常

練馬の片隅に生きる江戸型彫り職人見習いと、その影武者のブログ

古い型紙を活かすには


   昨日、大学生の時からお世話になっている人のお宅へ、久しぶりにうかがいました。
そこで見せていただいたのが、古い型紙の束。
   1000円位で売られていたものらしく、見た目はかなりボロボロ。
軽く持ち上げだけで、型の一部がハラハラと崩れ落ちるような状態の物もありました。
しかし、ほとんどの型紙は柄の部分がはっきり残っていましたし、今でも問題無く使えそうなモダンな柄も多く、これを新しく彫り直したら「使えるな」と思いました。

    それで、いま思い出しても自分の図々しさに赤面ものですが、知人にお願いして貰っちゃいました、型を。どう言って貰ったのかあんまり覚えていないけど、「私たちだったらこの型を現代に活かす事が出来る」と確信したので、ちょっとテンションが上がっていたのかも知れません。
知人は、「大事にしてね」と快く下さいました。本当にありがたい事です。


 というわけで、いただいた型と同じ模様の型を、新たに彫ることにしました。

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今回彫り直す型紙のオリジナルがこちら。
いただいた型紙のなかでは、1番しっかり柄が残ってました。
紙が黒光りしているのは、彫りあがった型を漆で補強しているからです。

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古型の模様を新しい型紙に写すための道具がこちら。
チョークとお化粧用のパフです。
パフは100円均一のもので充分ですが、あまりふわふわしたものよりしっかりと粉がつくものの方が良いそう。

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型紙を用紙と重ねて、粉にしたチョークをパフではたきます。

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これで、古い型紙の模様を新しい紙に転写しました。

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後はチョークで白くなった部分をひたすら彫っていきます。

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少しだけ彫ったところ。

   まだ何に使うかは未定ですが、せっかくいただいた型ですし、出来るだけ活かしていこうと思います。